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3週間でマスターする!不動産投資の基礎知識 『キャッシュフロー税金の知られざる関係』

何気にむずかしい償却率の算出方法!?

 前回は定額法定率法という2種類の償却方法による減価償却費の仕組みについて考えてみました。では、さらに減価償却に関する知識を深めてみることにしましょう。定額法の計算式を少し変形すると、


 @減価償却の対象となる金額 = (取得原価) − (残存価格)

 A定額法による毎年の減価償却費 = (減価償却の対象となる金額) ÷ (法定耐用年数)
= (減価償却の対象となる金額) × (1 ÷ 法定耐用年数)
= (減価償却の対象となる金額) × 償却率


 上記のように、計算式中に償却率を導き出すことができました。この計算式を定率法の計算式と比較してみることにしましょう。


 定額法による毎年の減価償却費 = (減価償却の対象となる金額) × 償却率
 定率法による毎年の減価償却費 = (取得原価 − 減価償却費累計額) × 償却率


 減価償却の対象となる金額が定額法の場合は一定で、定率法の場合は経過年数と共に減少していくという違いはありますが、両者とも償却率を乗ずる、という点では一致しています。計算式をみれば予想はつくことですが、この償却率が大きくなれば、当然ながら毎年の減価償却費も増加します。償却率は、税法によって以下のように設定されています。(11年目以降は省略)


耐用年数 定額法 定率法
 2年 0.500 0.684
 3年 0.333 0.536
 4年 0.250 0.438
 5年 0.200 0.369
 6年 0.166 0.319
 7年 0.142 0.280
 8年 0.125 0.250
 9年 0.111 0.226
10年 0.100 0.206


 定額法の償却率の計算は非常に簡単です。単純に耐用年数の逆数になります。たとえば、耐用年数が2年なら 1÷2=0.500 という具合です。むずかしいのが、定率法の償却率。上表をみて、すぐに計算方法を導けた人はか〜なり頭イイです。経理畑で働いている人だとか、不動産業界の人は償却率なんぞはいちいち計算式なんか知らなくても、自動で計算してくれるようなツールがあるのでしょうが、こちらはそんな便利なツールはあいにくと持ち合わせていません。なければ、自分で作るしかありません。


 で、いちいち手計算するのもめんどうですから、必要な数値データを打ち込めば、あとはExcelがすべて自動計算してくれるようなツールを自前で作ろう!と考えました。ですが、ツール作成過程では適切な数値が自動計算されなかったり、循環式になって計算式がエラー表示になったり、まあいろいろと開発には苦労しました。それで、いちばん初めにツール作成過程で座礁しかけた場所がこの定率法の償却率。
いろいろと不動産関連書籍をあたったり、インターネットの世界を放浪して調べてみても、上表のような償却率表は載っていても、肝心の計算式は書いていないんですね。耐用年数と償却率の関係から、計算結果を導き出すなんらかの関数を自力で解けるほどIQは高くもないですから、正直困りました。


 償却率の計算式なんか知らなくても、Excelで計算するなら他のセルに償却率表を作成して、その数値を参照すればいいじゃないか!とも思ったんですけどねえ。・・・それはそれで設定が難しい。むう〜〜。問題は後々棚ボタ的に解決しましたが、また新たな問題が浮上しました。それが中古資産の耐用年数。



中古資産の耐用年数の決まり方  ――中古のベンツは4年落ち

 さきほどの償却率表をもういちど眺めてみることにしましょう。


耐用年数 定額法 定率法
 2年 0.500 0.684
 3年 0.333 0.536
 4年 0.250 0.438
 5年 0.200 0.369
 6年 0.166 0.319
 7年 0.142 0.280
 8年 0.125 0.250
 9年 0.111 0.226
10年 0.100 0.206


 この償却率表からは、次のような事実が明らかになります。それは、「耐用年数が短いほど、償却率は上昇する」ということ。たとえば、1千万円のベンツを購入したとしましょう。車の法定耐用年数は、6年と税法で決まっています。償却可能限度額は取得価格の90%なので、結果的に900万円を6年間で償却することになります。毎年の減価償却のペースが定額法定率法でどの程度違うのかは、前回の計算例を参照ください。

 車の法定耐用年数は6年と決まっている。ふむふむ。なら、中古車の耐用年数はどのように決まるのでしょうか。減価償却資産の耐用年数等に関する省令3条には、中古資産の耐用年数を計算する簡便法として次のような規定があります。


 法定耐用年数の全部を経過しているとき
耐用年数 = 法定耐用年数 × 20%
 中古資産が法定耐用年数の一部を経過しているとき
耐用年数 = 法定耐用年数 − 経過年数 × 80%
 (一年未満の端数は切捨て。最短2年)


 では、上記の計算式を参考にして中古のベンツの耐用年数を計算してみることにしましょう。


 中古資産の経過年数 計算式  耐用年数
 1年 6 − 1 × 0.8 = 5.2  → 5年
 2年 6 − 2 × 0.8 = 4.4 → 4年
 3年 6 − 3 × 0.8 = 3.6 → 3年
 4年 6 − 4 × 0.8 = 2.8 → 2年
 5年 6 − 5 × 0.8 = 2.0 → 2年
 6年以上 法定耐用年数6年 × 20% = 1.2 < 最短2年 → 2年


 上表から、メルセデスベンツは4年落ちであろうが、6年落ちであろうが2年で落とせるということが分かります。どうせ買うなら、ちょっとでも新しいベンツのほうがいいですよね。結局、耐用年数は変わらないのですしね。世の中には、汗水たらして働いたお金をせっせと貯金して、やっとの思いで外車を買う人がいる一方で、節税のためにしょうがないから買う人もいます。ルールを上手に活かせる人とそうでない人の差は、案外ちょっとした知識の差だったりするのかもしれませんね。



3週間でマスターする!不動産投資の基礎知識 『キャッシュフロー税金の知られざる関係』
第一部 第二部
第一章:  不動産投資に興味はあるが、、、 第一章: キャッシュフローの導き方
第二章:  その投資対象は「資産」か、「負債」か? 第二章: 知らないと高くつく「税金」の仕組み
第三章:  「キャッシュフロー」にご注目!! 第三章: やり方によっては、税金は高くも安くもなる!!
第四章:  この物件はキャッシュフローを生み出すのか? 第三部
第五章:  「キャッシュフロー」と「利益」の関係 第一章 不動産の基礎知識 「賃料以外の収入あれこれ」
第四部 第五部
第一章:  マイホーム vs 収益物件 第一章: 減価償却 ――2種類の償却方法
第二章:  「減価償却費」ってナンだ? 第二章: 定額法による減価償却の仕組み
第三章:  切っても切れない「減価償却費」と「税金」の関係 第三章: 定率法による減価償却の仕組み
第六部 第四章:  毎年の減価償却費を比較してわかること
第一章:  何気にむずかしい償却率の算出方法!? 第七部
第二章:  中古資産の耐用年数の決まり方 第一章: 建物は定額法のみ、減価償却資産はどっちでも!
第八部 第二章: 設備を買っても、税金はかかるのだ!
第一章: 借入金が税金とキャッシュフローにおよぼす影響 第九部
第二章:  「元金が減らない・・・」元利均等返済方式 第一章: 減価償却費をいじれるチャンスは一度きり!?
第三章:  だんだん合計支払額が減る元金均等返済方式 第二章: 売買契約書のポイント
第四章:  返済方式はキャッシュフローと税金にどう絡む!? 第三章: 売主は、免税事業者の個人が良い!



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□ 減価償却費を計算しよう! □ さて、この物件のキャッシュフローはどうなるか
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