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3週間でマスターする!不動産投資の基礎知識 『キャッシュフロー税金の知られざる関係』

減価償却 ――2種類の償却方法

 不動産投資において、減価償却は非常に重要な働きをします。では、実際に減価償却費はどのように計算されるのでしょうか。この仕組みを知っているのと知らないのとでは理解度に雲泥の差があります。ここでは、2種類の減価償却方法について学ぶことにしましょう。定額法定率法です。



定額法による減価償却の仕組み

 定額法とは、毎年一定額の減価償却費を計上してゆく方法です。次のような設例を考えてみましょう。


ベンツの取得原価 10,000,000円
法定耐用年数 6年
残存価格 取得価格の10%


 法定耐用年数とは、法人税法などで定められている耐用年数のことです。残存価格とは、耐用年数
経過後のスクラップ代金です。取得原価の10%ぐらいの価値は回収できるだろうという、一種の見積もりです。ただ、最近では産業廃棄物処理の問題もあるため、残存価格分の回収もままならない状況にあるようです。取得原価から残存価格(10%)を控除した残り90%部分を、償却可能限度額といいます。

 定額法の場合、毎年の減価償却費は次のように計算されます。


 @減価償却の対象となる金額 = (取得原価) − (残存価格)
= 10,000,000円 − 1,000,000円
= 9,000,000円

 A毎年の減価償却費 = (減価償却の対象となる金額) ÷ (法定耐用年数)
= 9,000,000円 ÷ 6年
= 1,500,000円


 定額法では、毎年の減価償却費が1,500,000円と計算されます。これは6年間一定額で変わらない金額です。したがって “定額”法  といいます。耐用年数が経過した6年後における減価償却費の累計額は9,000,000円(1,500,000 × 6年)となります。これは、償却可能限度額と一致します。



定率法による減価償却の仕組み

 定率法とは、帳簿価格に一定の償却率を乗じることで毎年の減価償却費を計算する方法です。ここで帳簿価格とは、当初の取得原価から、過年度において減価償却を実施した累計額(減価償却累計額)を控除した金額です。帳簿価格を略して、簿価といいます。先ほどと同じ設例を用いて毎年の減価償却費を計算してみましょう。

 法定耐用年数が6年の場合の償却率は 0.319 と税法においてあらかじめ決められています。この償却率を用いて毎年の減価償却費を求めると以下のようになります。


 1年目の減価償却費 = (取得原価 − 減価償却費累計額) × 償却率 減価償却費累計額
= (10,000,000円 − 0円) × 0.319
= 3,190,000円
3,190,000円

 2年目の減価償却費 (10,000,000円 − 3,190,000円) × 0.319
= 2,172,390円
5,362,390円

 3年目の減価償却費 (10,000,000円 − 5,362,390円) × 0.319
= 1,479,397円
6,841,787円

 4年目の減価償却費 (10,000,000円 − 6,841,787円) × 0.319
= 1,007,469円
7,849,256円

 5年目の減価償却費 (10,000,000円 − 7,849,256円) × 0.319
= 686,087円
8,535,343円

 6年目の減価償却費 (10,000,000円 − 8,535,343円) × 0.319
= 467,225円
9,002,568円


 定額法による減価償却費は毎年、150万円の一定額でした。一方、定率法による減価償却費は、最初の年ほど減価償却費が多く(定額法の減価償却費よりも多い)、年を追うにつれ減価償却費が少なくなる(定額法の減価償却費よりも少ない)という特徴を持っています。

 定率法による減価償却費累計額9,002,568円に注目してください。端数処理によって若干の誤差(2,568円)がありますが、定額法による減価償却費累計額9,000,000円と一致します。いえ、理論的には必ず一致することになっています。当初の耐用年数が経過したとき、定額法によろうと定率法によろうと、減価償却累計額は9,000,000円で一致するのです。これは、とても重要な点です。



毎年の減価償却費を比較してわかること

 定額法による減価償却費と、定率法による減価償却費を下表に並べてみました。


毎年の減価償却費
定額法 定率法
1年目 1,500,000円 3,190,000円
2年目 1,500,000円 2,172,390円
3年目 1,500,000円 1,479,397円
4年目 1,500,000円 1,007,469円
5年目 1,500,000円  686,087円
6年目 1,500,000円  467,225円
減価償却費累計額 9,000,000円 9,002,568円


 定額法による減価償却費は、毎年150万円で一定です。定率法による減価償却費は、最初の年は多く(1年目は3,190,000円)、最終年度はかなり少なくなる(6年目は467,225円)という特徴があります。それでも、両者の減価償却累計額は900万円で一致するという結果は変わりません。



3週間でマスターする!不動産投資の基礎知識 『キャッシュフロー税金の知られざる関係』
第一部 第二部
第一章:  不動産投資に興味はあるが、、、 第一章: キャッシュフローの導き方
第二章:  その投資対象は「資産」か、「負債」か? 第二章: 知らないと高くつく「税金」の仕組み
第三章:  「キャッシュフロー」にご注目!! 第三章: やり方によっては、税金は高くも安くもなる!!
第四章:  この物件はキャッシュフローを生み出すのか? 第三部
第五章:  「キャッシュフロー」と「利益」の関係 第一章 不動産の基礎知識 「賃料以外の収入あれこれ」
第四部 第五部
第一章:  マイホーム vs 収益物件 第一章: 減価償却 ――2種類の償却方法
第二章:  「減価償却費」ってナンだ? 第二章: 定額法による減価償却の仕組み
第三章:  切っても切れない「減価償却費」と「税金」の関係 第三章: 定率法による減価償却の仕組み
第六部 第四章:  毎年の減価償却費を比較してわかること
第一章:  何気にむずかしい償却率の算出方法!? 第七部
第二章:  中古資産の耐用年数の決まり方 第一章: 建物は定額法のみ、減価償却資産はどっちでも!
第八部 第二章: 設備を買っても、税金はかかるのだ!
第一章: 借入金が税金とキャッシュフローにおよぼす影響 第九部
第二章:  「元金が減らない・・・」元利均等返済方式 第一章: 減価償却費をいじれるチャンスは一度きり!?
第三章:  だんだん合計支払額が減る元金均等返済方式 第二章: 売買契約書のポイント
第四章:  返済方式はキャッシュフローと税金にどう絡む!? 第三章: 売主は、免税事業者の個人が良い!



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□ 減価償却費を計算しよう! □ さて、この物件のキャッシュフローはどうなるか
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